オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジー(ナイトレンズ)は、夜間寝ている間にハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形を変化させることで近視や乱視を矯正する治療法です。朝起きてレンズを外した後も、一定時間角膜の形が保持され、日中はコンタクトレンズやメガネを装用せずに裸眼で生活をすることが可能です。

(1)レンズ装着前

通常は網膜上で焦点が合いますが、近視の場合は網膜の手前で焦点が合うため、遠くの物がぼやけて見えます。

(2)レンズ装用中

就寝時に専用レンズを装用することで、特殊な内面カーブが角膜前面の形状を変化させ、扁平化することにより焦点が網膜上で結ばれ、像がはっきり見えます。

(3)レンズ着脱後

レンズによって扁平化された角膜前面は、レンズをはずしても一定時間形状が保持されるため、日中は裸眼で過ごせます。

治療効果には個人差があり、装用してすぐに視力が得られる方と数週間の装用後に効果が現れる方がいます。毎日レンズを装用することで矯正効果が持続し、人によっては週に3、4日の使用で終日視力が維持できるようになります。

よくある質問

Q)治療は何歳から可能ですか?

A)保護者の方のサポートがあれば、小学生・中学生といった若年者からでも治療を受けることができます。若年者は角膜が柔らかいので、治療効果が現れやすい傾向があります。近年では角膜形成時期にオルソレンズを装用することで、近視の進行を抑制する効果があると言われています。

Q)角膜を変形させるのが心配です。安全なものですか?

A)当院では日本人の角膜形状にフィットしたデザインの「ブレスオーコレクト」を採用しております。極めて酸素透過性の高いレンズで、日本でも安全性が確認されております。オルソレンズは角膜を削るレーシック手術とは違い、装用を中止すると元の角膜の状態に戻すことが可能です。安全に使用することができます。また、一般のコンタクトレンズに比べ、眼のトラブル障害が少ないと言われています。就寝時の装着のため、装用時間が短く、障害が起こりづらいのです。

Q)誰でも視力が回復することができるのですか?

A)全ての方に適応できるものではありません。近視や乱視の強さ、他に眼の疾患がある方は適応でない場合があります。まずは当院にて適応検査をおすすめします。

Q)費用はどのくらいかかりますか?検査の予約は必要ですか?

A)オルソケラトロジー治療は自由診療のため価格や保証が医院によって異なります。お気軽にお問合せください。直接来院していただき、適応検査をうけていただくことも可能です。なお、お電話での予約も行っています。(予約状況によりご希望に添えない場合もございますので、お早めにご連絡ください)

オルソケラトロジーのメリットとデメリット

オルソケラトロジー治療の流れ

1)適応検査

専用レンズの装用が可能かを詳しく検査します。

2)テストレンズの装用後、お試し

実際にレンズを装用して、着け心地や見え方を体験できます。
問題がなければ、そのまま数日間のお試し装着が可能です。
取り扱い方法や装用方法も詳しくご説明いたします(初めての方でもご安心ください)。

3)レンズ作成・処方

問題がなければ、レンズを処方します。ご自分だけのレンズを作成いたします。

4)レンズお渡し

ご自宅での装用開始です。

5)アフターケア(1週間後検査・1ヶ月後検査・3ヶ月後検査)

アフターケアもしっかり行います。視力の変化、レンズのチェックなどを定期的に検診します。3ヵ月毎に検査、診察を行うので、安全に使用することができます。

オルソケラトロジー体験談

当院でオルソケラトロジー治療を行っている一部の方に、使用してみての感想をお聞きしました。
実際に治療、使用されている方々の生のご意見です。
オルソケラトロジー治療について悩んでいる方、治療方法や効果に不安がある方などは是非、参考にしてみてください。

【治療前の視力】右:0.06 左:0.06
【レンズ使用現在の視力】右:1.2 左:1.0

  • 昼の日常生活をメガネなしで過ごせるようになり、学校の授業を受けるときに不便を感じなくなった。
  • スイミングの時にまわりの様子がわかるので安心。
  • 1日半程度で視力が戻るようなので林間学校など宿泊する場合が心配。
  • 毎日のケアが必要なのが不便。
  • 治療の価格が高め。

※ 保護者様のご意見です。

【治療前の視力】右:0.15 左:0.15
【レンズ使用現在の視力】右:1.2 左:1.2

  • 日中にソフトコンタクトをつけていたときの乾燥感がなくなった。
  • ソフトコンタクトを終日つけていると霞みが出たが、1日中安定して見えるようになった。
  • 毎晩、就寝前にレンズを入れるのが面倒。
  • 夜間の車の運転時、街灯や対向車のライト・太陽の光を眩しく感じる。
  • 災害時などに使えなくなる場合もあるので、緊急のときの応用力がなさそう。

【治療前の視力】右:0.7 左:0.6
【レンズ使用現在の視力】右:1.2 左:1.5

  • 就寝中の視力矯正なので、日中のケアの必要がなく小学校にも安心。
  • 飛躍的に視力が良くなり、授業中の黒板の文字が後ろの席でもハッキリ見える。
  • メガネを掛ける煩わしさがなくなった。
  • 親の管理が必要なのでやや面倒。
  • インフルエンザなど長期に体調を崩したとき、その間コンタクトの装着ができずに視力が戻ってしまうのは不便を感じる。
  • 日々のケア用品の値段がやや高め。

※ 保護者様のご意見です。

オルソケラトロジー治療は、近視の抑制が期待できる治療法として近年、小学生・中学生のお子さんが使用することも多くなってきました。そのため、コンタクトレンズの管理はご両親でおこなっているご家庭が多いと思われます。

体験談でもあるように学校行事での宿泊・体調不良で装着できないなど不安点もありますね。個人差はありますが、装用せず1、2日するとだんだんと見えにくくなりますので、弱めのメガネなどで補っていただく方法が一番かと思います。

また、お子様がご自身で管理ができそうであれば、当院で装用指導も行っておりますので是非ご来院ください。適応検査も無料となっておりますので、ご興味がある方はお気軽にどうぞ。